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NFTのマクロ分析ー価格の復活が見込まれるコレクションの選定基準を検証(2023年12月発行)
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目次 ・はじめに ・データの取得方法 ・分析結果 ・結論 ・付録(NFTフロアプライスの年間上昇/下落ランキング) はじめに NFT(Non-Fungible Token)の爆発的な成長が2021年以降一段落し、最近ではNFTアートやNFTコレクションに数億円もの高値が付くような現象はほとんど見られなくなった。当時の金銭的な盛り上がりを見て、NFTは投機性の高いものであるとの認識を持つ人も多いだろう。しかし、市場が落ち着いている今だからこそ、我々はNFTの認識を見直さなければならない。 ここでNFTの理解を助けるためにwikipediaでも参照されているSam Dean氏の記事を引用する。 “NFTは実物または仮想のオブジェクトの信頼性を示す証明書のようなものです。固有のデジタルファイルはブロックチェーン上に保存され、所有権の変更は世界中のネットワークによって検証され、パブリックに記録されます。これは、ファイル自体に保管過程が永続的にマークされることを意味し、偽物と交換することが事実上不可能になります。” つまり、NFTとはあるデータに対して一意の検証可能なタグを付けるブロックチェーン関連の技術を指し、それ自体が価値を持つものではないことが指摘されている。 しかし、そうは言っても、NFTはデジタルアセットを価値あるものとして市場で取引するために使用されることがほとんどであり、金融的な側面を無視できないことも確かである。 Vlad Hategan氏によるNFTコレクションの現状分析では、73,257のコレクションのうち69,795のコレクションが0ETHの時価総額であり、NFTの大部分は無価値であると言及している。 こうした分析も踏まえ、我々はNFTのマクロな現状を独自に見てみることにした。NFTコレクションの価格が軒並み下落する中、価格の回復が見込まれるコレクションはあるのか。結果をもとに今後も生存するであろうコレクションの選定基準を定めることを目指した。 データの取得方法 各種データはCoinGecko APIとDuneで取得したものを活用する。CoinGecko APIではイーサリアム以外を含む複数のブロックチェーン上のNFTコレクションのデータを取得し、Duneではイーサリアム上に存在するNFTコレクションのデータを活用した。 使用したデータ ・出来高 ・トランザクション数 ・取引ユーザー数 ・フロアプライス ・時価総額 ・ユニークアドレス数 今回の分析は2点に焦点を絞って行う。まず現状のNFTコレクションがどういった状況になっているのかを確認し、それによって全体の傾向と今後の予測について考察する。その上で数あるNFTコレクションの中で価格が戻りうる基準が存在するかどうかを探ることとする。
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オラクルサービスChainlinkを活用したダイナミックNFTの基礎開発ガイド(2023年11月発行)
¥20,000
目次 ・DNFTとは? ・DNFTの使用例 -ラメロ・ボールNFT -サガン鳥栖ファントークン -レコチョクチケット ・DNFTのコード開発 ・オラクル:Chainlinkとは? -Chainlinkが提供しているサービス -Chainlinkの使用方法 ・実際にDNFTを作ってみた ・DNFTのガス代について ・最後に DNFTとは? DNFTとはDynamic Non Fungible Tokenの略称であり、日本語では動的NFTと呼ばれています。このDNFTは、従来のNFTの「固有の価値を持つデジタルデータ」という性質を保ちつつ、外部条件によってデータを更新する機能を持ち、動的性を兼ね備えたNFTのことを主に指します。 本来NFTはミント(発行)された時にそのトークンのメタデータ(画像やその他NFTに関連する情報)が一つに定まり変わることがないのに対して、DNFTはスマートコントラクトによってNFTのメタデータを変更することができるようになります。 このようなデータの更新ができるということは、会員権のグレードやゲームキャラクターの能力などステータスの変動が起こるものや、不動産・自動車など時間やメンテナンス歴などで状態が変化するものをトークン化する際に有用であり、NFTの活用方法に大きな可能性をもたらします。 簡単な例を示すと、下の図のように講演会の入場券を来場によって変化するDNFTとして発行する場合、単に入場券を購入したことだけでなくその講演会に参加したことも入場券のNFTによって証明することができ、参加者は講演会の記念としてDNFTを受け取り、楽しむことができます。 オラクル:Chainlinkとは? ブロックチェーンは原則ブロック上に記録されていないデータにアクセスしたりプッシュしたりすることができない孤立したネットワークです。そのブロックチェーンが実用的に利用されるためには、ブロックチェーンを外の世界と繋げる必要があります。 例えば、金融スマートコントラクトではマーケット情報や決済情報などを必要とし、保険スマートコントラクトでは保険金の支払いを決定するために健康データやイベント情報などを必要とするなど、外部との接続は異なるテーマごとに必要不可欠な要素です。 その外部との接続を実現するのが「オラクル」であり、オラクルがブロックチェーンと外部との情報のやり取りを仲介することでスマートコントラクトの利用範囲を拡大します。 ここで重要となってくるのはオラクルから取り込まれたオフチェーンデータの信憑性の確保と、また単独のオラクルを活用する際に懸念される単一障害点という二つの課題です。この二つは「オラクル問題」と呼ばれます。オラクル問題の解決方法をめぐる議論の詳細はここでは割愛しますが、特定の機関に依らず検証レイヤーとデータソースを分散化することでオンチェーンに取り込むデータの信頼性を向上させようとする様々な取り組みが行われています。 Chainlinkは先に紹介した二つの課題の解消に取り組む業界最大手のオラクルプロトコルです。複数のサービスの運営をしており、その中には任意のAPIからデータをオンチェーン上に取り込んだり、コントラクトの自動化などDNFTに活用できるものが多くあります。 実際にDNFTを作ってみた これまでに紹介したDNFTとChainlinkのサービスを使用して、マネックスクリプトバンク独自に簡単なDNFTを作成してみました。 このDNFTはChainlinkのData Feedによってビットコインの価格データを日次で取得し、前日と比較した上昇率、下落率に応じてメタデータが変化します。 具体的にはビットコインの価格が前日から5%以上UP、3~5%UP、ほぼ横ばい、3~5%DOWN、5%以上DOWNの5段階でブルベア指数をモチーフとした絵柄が変化するDNFTとなっています。
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Monex Fear&Greed Index―9 つの構成要素から市場センチメントを評価(2023年9月発行)
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Baker & Wurgler(2007)によれば、株式市場のセンチメントに関して以下の事柄が述べられている。 ”伝統的な金融モデルは、冷静な投資家が資本市場の価格を合理的な現在価値と予想される将来のキャッシュフローに調整するという仮定に基づいている。一方で、行動ファイナンスの研究では、感情に影響される可能性のある投資家が存在し、投資家心理が市場全体に影響を及ぼすことが指摘されている。投資家心理とは現実的でない未来のキャッシュフローや投資リスクに対する信念を指し、その動きを測定した上で市場への影響を定量的に分析することができる” これは、暗号資産市場のセンチメントを考える際にも非常に有益な情報である。暗号資産は、一般的なバリュエーションのモデルが確立されておらず、株式と違って適正な現在価値と将来のキャッシュフローを計算する手法が存在しない。そのため異なる性質を持つ資産同士を比較することも困難であり、たとえば、ビットコインとイーサリアムを同じ視点で評価することは難しい。 このように暗号資産は価格評価のモデルが確立されていないからこそ株式以上にセンチメントが価格に与える影響が大きいと考えられる。したがって、暗号資産市場における投資家心理を定量化することは、投資家が適切な投資判断を行う上で意義深いものと言える。 そこでマネックスクリプトバンクでは、現行のセンチメント指標を参考にしながら、暗号資産市場の投資家心理を表す独自指標「Monex Fear and Greed Index(MFGI)」を開発した。本レポートではMFGIの構築手法とその結果、考察について述べる。 【目次】 はじめに 現行のセンチメント指標 -CNN Fear and Greed Index -Crypto Fear&Greed Index MFGIの構成内容 -MFGIを構成する指標について -MFGIとして作成されるモデルについて MFGIの検証 -センチメント指標の検証方法 -結果 結論と考察
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暗号資産に関する独自の格付評価モデルを考案(2023年7月発行)
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昨今、web3への注目が高まる中、暗号資産の代表格として知られているビットコインやイーサリアム以外の暗号資産の取引が活発になってきている。いわゆるアルトコインと呼ばれるビットコイン以外の暗号資産の種類は日々増加しており、その数は今や25000種類以上にものぼる。暗号資産の中でもそれぞれ性格は異なり、ビットコインのように価値の安全な保存と移転を主眼とするものもあれば、イーサリアムのようにスマートコントラクトの利用によるDAppsの開発などのブロックチェーンの応用を推進するものもある。今後、個人投資家はもちろん、ますます多くの機関投資家がマーケットの情報やプロジェクトの内容を精査し、投機目的ではなく投資目的による暗号資産の購入を進めていく可能性が高い。事実、米国をはじめとして複数のヘッジファンドが直接的に暗号資産への投資をしており、その他の種類の機関投資家も暗号資産に対する高い関心を持っていることが各種調査機関のレポートによって示されている。 このように暗号資産へ投資をしようという気運が高まっている中で、重要になってくるのが暗号資産をどう評価するかということである。暗号資産はその性質上、株式をはじめとする伝統的金融資産と比べて非常に多種多様な要素を持ち、そのトークン価値を表す明確な指標は未だ存在していない。またトークン自体、価値の裏付けとなる資産等が存在しない場合が多いため、価値算定すること自体がかなり困難である。このことが投資家にとっては暗号資産市場に参加する際の大きなハードルとなっている。 だが、価値そのものを測ることは難しくとも、投資判断を行う際に必要な情報が揃っていれば話は変わってくる。そもそも機関投資家を中心に投資家が投資を実行する際に重視する要素とはなんだろうか。弊社で行った国内機関投資家をはじめとする金融関係者へのヒアリングを通して、いくつかの重要な項目が浮かび上がってきた。その性質は大きく二つに分けられる。一つには、流動性や一部の投資家にアセットが寡占されている集中リスクが挙げられる。これは株式をはじめとする伝統的な金融資産でも重視されてきた項目だ。もう一つは暗号資産ならではの項目である。例えば法規制・コンプライアンスリスクや技術的なリスク(ハッキングなど)がその代表例である。 弊社ではこれらの項目を踏まえて暗号資産を格付けすることで投資家へ有益な情報を発信できるのではないかと考えた。格付けの大きな意義として次の二つが挙げられる。 暗号資産への投資を検討している投資家に対して見るべき重要なポイントをわかりやすい形で情報発信することができる 要素を絞って格付けすることで性質の異なる通貨に対しても一定の判断基準で比較・評価することができる まず一つ目だが、これが今回の格付けの主目的である。点数というわかりやすい評価指標を通じてどの通貨がどの側面で優れているのか、不安材料を持っているのかを簡単に把握することができる。また重要ポイントに絞った評価を行うことで、この格付けを通して暗号資産のどこを見るべきか、どうやって見るべきかということも発信できると考えている。特にクリプトに対する深い見識のない投資家にとってはまず何をもってクリプトの良し悪しを判断するかという基準をある程度示せるのではないかと考えている。 次に二つ目に関してだが、先にも述べたように暗号資産と一口に言ってもそれぞれ性質は大きく異なる。株式の場合、発行する会社の性質は異なるかもしれないが株式という証券としての性質で見れば同一といえる。だが、暗号資産の場合はそもそもトークン自体の仕組みがトークンごとに異なっている。そのため横一列で並べて比較することはなかなか難しい。そのことを踏まえて、今回の格付けでは、投資家が重視する要素、言い換えると投資をする上で必要条件となりうる要素に絞って評価を行った。必要不可欠な要素に限って考えれば比較することが可能であり、またその意義も大いにあると考えている。 以上のようなコンセプトのもと、弊社独自の格付け指標の開発を行なった。以下でその詳細を説明していきたい。 【目次】 1.はじめに 2.格付け方法について ●前提として ●格付けの先行事例 ●MCBクリプト格付けで評価する要素 ●評価対象の選定 ●指標となるデータの収集方法 ●評価方法の概要 3.格付け結果 4.考察と今後の改善に向けて 5.終わりに 6.参考文献
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ブロックチェーンゲームのビジネスモデルの分類と収益推定(2023年4月発行)
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ブロックチェーンゲーム(BCG)とは、ブロックチェーン技術を利用して作られたゲームのことです。ブロックチェーン技術にはNFTやトークンといった要素が含まれています。 BCGではこれらのブロックチェーン技術がゲーム内アセットを構成する要素として用いられていますが、ブロックチェーン技術自体が比較的新しい技術であること、既存のゲーム会社にとってはあまり馴染みのない技術であることから、プロジェクト全体としてどこに収益ポイントが存在するのか、どこにコストが発生するのかが分かりづらくなっています。 どのような収益モデルをとっているのかが見えにくいということは、既存BCGについての評価や新規BCGプロジェクトの企画を実施する上での大きな障壁になっていると考えられます。これらの現状から、私たちはBCGにおける収益モデルを明確にする必要があると考えました。 本レポートでは、まず現状のBCGの収益モデルを2つに分類することから始めます。次に、それぞれの収益モデルについて損益計算書(PL)の形で詳細に分析していきます。同時に各収益モデルの特徴から、それぞれの型のメリット・デメリットについても検討していきます。財務会計上の課題やBCG特有のメリットについても説明した上で、総括として今後BCGをどのように展開すべきかについて考察を加えていきます。 【目次】 1.ブロックチェーンゲームとは? 2.BCG収益モデルにおける2つの型 ●マーケットプレイス型 ・Axie Infinity ・Alien Worlds ●NFT販売型 ・Splinterlands ・Benji Bananas ●その他の収益ポイント:トークンセール 3.BCGの優位性は? 4.実務者のためにー財務会計上の課題 5.今後のBCGのあり方は? 6.さいごに
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メタバースのデジタルLAND開発(2023年2月発行)
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DecentralandにおけるLANDの開発方法は、ドラッグ&ドロップなどの簡単な作業でコンテンツを作成する「The Builder」と、主にプログラミング言語の「TypeScript」を用いてハイクオリティなコンテンツを作成できる「The SDK」の二つがあります。 The Builderでは直感的な操作でシーンをデザインすることができます。またThe BuilderでデザインしたコンテンツをThe SDK内に導入し、複雑なコンテンツに作り上げることができます。 一方のThe SDKでは、コーディングによって静的なシーンあるいはオブジェクトに簡単な動作やゲーム的な要素を実装し、複雑なコンテンツを作成することができます。 この二つの開発ツールはLANDを所有していなくても無料で手軽に利用できるため、事前にシーンのデモを作成した上でLANDの購入を検討することもできます。 本レポートではThe BuilderとThe SDKのそれぞれを使用したLAND開発について、ブロックチェーン知識が必要な工程も含めて解説しています。 【目次】 1.Introduction 2.Decentralandとは? 3.DecentralandにおけるLAND開発 4.The Builderを使用した開発方法 5.SDKを使用した開発方法 6.私たちが作ったLANDの紹介 7.さいごに 8.参考文献
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金融バブルを検知するLPPLSモデルの暗号資産への応用(2023年1月発行)
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暗号資産市場ではこれまでに多くの価格の高騰と暴落、いわゆるバブルが経験されてきた。その変動率は他の金融資産と比べても著しく高い。ゆえに暗号資産のバブルを検出することは暗号資産投資をする上で個人投資家にとっても機関投資家にとっても非常に重要な指標となりうる。 そこで本調査では、金融資産のバブルの終焉を検出するための枠組みとして使用されてきた「LPPLS(Log Periodic Power Law Singularity) モデル」を代表的な暗号資産、ビットコインなどに用いて、先行研究を元にした独自の分析を行った。 いくつかの検証の結果、LPPLS モデルの暗号資産への適用は十分に可能であることを示すことができた。また、同モデルが長期的な価格トレンドや短期的な価格の底を検討する上でも有効である可能性を見出した。 【目次】(全19頁) 1. 要旨 2. 調査の背景 3. 調査の方法 4. 結果 5. 総括と考察 6. 最後に
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PAVA 指標のレイヤー1 トークンへの適用可能性の検討(2022年12月発行)
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本調査では、モルガン・スタンレーが発表したイーサリアムの価格動向を推定する指標「PAVA(price adjusted volume per address)」の改善案として、アクティブアドレス数ではなく新規アドレス数を採用した「NewPAVA」を提唱し、パフォーマンスを分析した。それらの指標をビットコインとライトコインにも適用したが有意な結果は得られなかった。しかし、これらの検証の中で PAVA と分散型金融(DeFi)の TVL(Total Value Locked:預託資産額) に大きな関連性を示した。 【目次】(全6頁) 1. 要旨 2. 調査の背景 3. 調査の方法 4. 考察 5. 最後に
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VR普及はいつ頃達成されるのか?―現状の問題点と関連技術を探る(2022年11月発行)
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メタバースとは、「超(Meta)」と「宇宙(Universe)」を組み合わせた造語で、仮想空間を指すことが一般的となっています。しかし、この言葉の定義や捉え方については未だに統一されたものがありません。メタバースをVR技術中心に語る人もいれば、ブロックチェーン技術中心に語る人もいて、メタバースの実像がなかなか見えない状況となっています。 このように「メタバース」という言葉だけが流行り言葉として独り歩きしていますが、今では世界中の企業がメタバースに大きな関心を寄せています。メタバースでは何ができるのか?メタバースで儲けることはできるのか?メタバースは将来的に普及するのか?などの疑問をもっている人は多いかと思います。 こうした状況から弊社ではメタバースの可能性を見極めようと様々な研究に取り組んでいます。たとえば、オンラインでのコミュニケーションやショッピング、イベントなどで実際にメタバースを体験してみたり、暗号資産やノンファンジブルトークン(NFT)を活用したメタバースプラットフォームを触ってみたり、メタバースの現状について調べています。 本調査を進めるなかで私たちはVR技術がもたらす没入感こそがメタバース普及の一つの鍵になると考えるようになりました。メタバースというとVRゴーグルを思い浮かべる人が多いように、メタバース普及の問題はハードウェアの面から捉えることができます。メタバースの未来において誰もがVRゴーグルのようなデバイスをつけるのであれば、VR技術を読み解くことが現状把握と将来予測に役立ちます。 弊社ではこうした認識から、VR技術の現状の問題と関連技術を探ることでメタバース普及の時期を予測し、今においてメタバースの開発者や事業者、一般ユーザーがどのように立ち振る舞うべきかを考察したレポートを執筆いたしました。 【目次】 1.メタバースとVR 2.VRの問題点 ●VR全般に関わる問題 ●スタンドアローン型HMD特有の問題 3.関連技術:VR HMDが重い ●パンケーキレンズ ●ホログラフィックレンズ(HOE) ●マイクロOLED ●予測される解決時期:2022年~ 4.関連技術:VR酔いが発生する ●遅延低減技術 ●可変焦点技術 ●ハードウェア技術 ・歩行型VRデバイス ●予測される解決時期:2027年~ 5.関連技術:ハードウェア性能が低い ●半導体技術革新 ・トランジスタの技術革新 ・パッケージング技術の技術革新 ・露光装置の技術革新 ●スタンドアローン型HMDの性能向上予測 ●アップスケーリング技術 ・DLSS ・FidelityFX Super Resolution(FSR) ●クラウドゲーム ・NVIDIA CloudXR(Omniverse Create XR) ●予測される解決時期:2028年 6.関連技術:バッテリーの持続時間が短い ●バッテリー技術革新 ・リチウム空気電池 ・全固体電池 ●ワイヤレス充電技術 ・Mi Air Charge ●予測される解決時期:2028年~ 7.VR普及後のメタバースを見据えて ●開発サイド ・開発事例:Half-Life: Alyx ・開発事例:ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド ●事業サイド ●一般ユーザー 8.さいごに 9.付録:VR普及ロードマップ 10.免責事項
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GameFiとはなにか―DeFiの重要性と課題、CEXの役割(2021年11月発行)
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GameFiとはGame Finance(ゲーム×金融)の略です。厳密に定義された言葉ではありませんが、「NFTゲーム」や「ブロックチェーンゲーム」、「Dappsゲーム」といった、ブロックチェーンを基盤とするゲームアプリケーション一般について、とくにplay-to-earn(訳:プレイして稼ぐ)の概念を強調する場合に利用される言葉です。 従来のゲームにおいては、ゲーム内アセット(ゲーム内通貨やアイテム)はオープンな市場において自由に売買できるものではありませんでした。近年、暗号資産エコシステムの拡大や、NFTの流行、DeFi(分散型金融)の発展などを背景に、ゲーム内アセットもNFTやコインなどの暗号資産として発行されるようになってきています。このことによって、一部のゲーム内アセットは現実的な資産としての価値が認められるようになっており、それらを売買できるオープンな市場も拡大しています。つまりゲームをプレイすることで金銭的な収益を期待できるようになっているのです(このため、play-to-earnと表現されています)。 しかも、現在のGameFiにおけるファイナンスの機能はアイテムの売買機能にとどまりません。ソーシャルレンディングに似た仕組みや、流動性の供給を通じた暗号資産の運用といったオルタナティブな投資戦略にも対応しはじめています。 しかし、GameFiを標榜するプロジェクトの多くは国外で進められるものであり、国内においてGameFiに関する情報を網羅的に扱った調査や文献はきわめて少ない状況にあります。 弊社では、独自の進展を見せるGameFiの領域を、金融の新しい姿としても、すでに大きな関心を集めているDeFiの派生的な形態としても、トレンドであるメタバースの具体的な事例としても、注目に値する領域であると見ております。 とくにメタバース(ヴァーチャル・リアリティ/ミラーワールド)の社会実装に際しては、価値の問題が改めて問い直されることが予想されます。価値を媒介したり、それ自体が価値をもったりする「お金」という概念も改めて見直されるでしょう。メタバースの領域においてはゲーム業界やエンタメ業界が先行していますから、メタバースにおけるお金の再定義はGameFiの領域から出発することになります。あるいは、暗号資産やDeFiといったバーチャルなスペースで機能してきた新しい金融システムが、今後、メタバース内においても機能できるかどうかがGameFiにおいて試されていると考えることもできます。 弊社ではこうした認識から、GameFiの理解と普及が国内において深まることが重要であると考え、国内の事業者および消費者が容易にアクセスできる地点において、GameFiに関する体系的な情報を提供するべく本レポートを執筆いたしました。 なお、レポート内では、弊社が開発中のゲーム業界向けプロダクトについても紹介しています。ご興味・ご関心ありましたら、お気軽にご相談くださいませ。